【UC闘病体験日記】潰瘍性大腸炎と5-ASA製剤|ペンタサ・リアルダ・アサコール…って何?

潰瘍性大腸炎の治療で使われる5-ASA製剤とは?ペンタサ・アサコール・リアルダ・サラゾピリンの違いや作用の仕組み、寛解導入・寛解維持、副作用、5-ASA不耐症について、UC患者目線でわかりやすくまとめました。
この記事はこんな人におすすめ
✅️ 潰瘍性大腸炎で5-ASA製剤を処方されたけど、どんな薬なのかよく分からない人
✅️ ペンタサ・アサコール・リアルダ・サラゾピリンの違いを知りたい人
✅️ 5-ASA製剤の効果や仕組みや副作用を簡潔に知りたい人
【この記事の結論!】
5-ASA製剤は、潰瘍性大腸炎の炎症を抑え、寛解導入・寛解維持に使われる基本的な薬です。ペンタサ・アサコール・リアルダなどは、同じ5-ASAを使いながらも腸へ届ける仕組みが異なります。副作用や5-ASA不耐症が起こる場合もあります。
潰瘍性大腸炎の治療に使われる「5-ASA製剤」とは?
潰瘍性大腸炎の治療において、高確率で耳にするのが「5-ASA製剤」という言葉。
ペンタサ、リアルダ、アサコール、サラゾピリンなど、商品名や薬の特性は違うようですが、
「そもそも5-ASAって何?」
「なんでこんなに種類があるの?」
というのは当然の疑問かと思います。
私自身、全大腸型・中等症の潰瘍性大腸炎の治療を受ける中で、改めて調べてみると、同じ5-ASA製剤でも、薬によってかなり工夫が違うことがわかりました。
この記事では、潰瘍性大腸炎患者である筆者が、5-ASA製剤について調べたことを備忘録としてまとめてみたいと思います。
自身の闘病体験と、信憑性の高い公的資料をもとにまとめていますが、治療や薬の変更については、必ず主治医・薬剤師に相談のもとで判断してもらえるようお願いします。自己判断での減薬などは、治療を妨げ寛解を遠のけることにもつながります。
そもそも「5-ASA」って何なのか
5-ASAとは「5-アミノサリチル酸(5–aminosalicylic acid)」の略です。
薬の説明書などで「メサラジン」という名前を見聞きしたことがある人もいると思いますが、メサラジンは5-ASAそのものです。
5-ASA製剤は腸の炎症を抑える薬で、潰瘍性大腸炎では特に軽症~中等症の治療を中心に使われる基本的な薬です。
日本消化器病学会の患者向けガイドでも、潰瘍性大腸炎の治療では、5-ASA製剤が中心的な薬として紹介されています。
ステロイドや一部の生物学的製剤などとは違い、強く免疫を抑え込む薬ではありません。
腸の粘膜で炎症を抑えることを狙った薬です。
イメージとしては、「炎症した腸粘膜に対して直接作用する」「腸の内側から塗り薬を塗る」に近いと思います。
5-ASA製剤を使う目的は何?
潰瘍性大腸炎の治療では、大きく分けて
- 炎症を抑えて症状を落ち着かせる=寛解導入
- 落ち着いた状態をできるだけ長く保つ=寛解維持
という2つの段階があり、5-ASA製剤はそのどちらにも使われます。
症状を落ち着かせる「寛解導入」
潰瘍性大腸炎で血便や下痢などの症状があり、腸に炎症が起きている状態から、炎症や症状が落ち着いた「寛解」の状態を目指す治療を寛解導入療法といいます。
5-ASA製剤は軽症~中等症の潰瘍性大腸炎において寛解導入のために使われる代表的な薬です。
ただし5-ASAは、腸の動きを抑えて下痢を直接止める「下痢止め」でも、腹痛を一時的に抑える「痛み止め」でもありません。
腸に起きている炎症そのものを抑えることで、結果として血便や下痢、腹痛などの改善を目指します。
「下痢や血便が止まったからもう飲まなくてオッケー!」ではないことが重要ですね。
落ち着いた状態を維持する「寛解維持」
症状がなくなったからといって、潰瘍性大腸炎の治療はそこで終了ではありません。
一度寛解しても再び炎症が起こる「再燃」があることが潰瘍性大腸炎の大きな特徴でもあります。
寛解した状態をできるだけ長く維持するための治療、それが寛解維持療法です。
2段階目の治療、というイメージでしょうか。
5-ASA製剤は、寛解導入だけでなく、この寛解維持にも使用されます。
「血便も下痢もない、お腹も痛くない。なのにまだ薬を飲むの?」
と思いがちですが、調子が良い状態を維持すること自体も5-ASA製剤の大切な役割、というわけです。
難治性の病気というのは本当に嫌なものですね。
5-ASA製剤が炎症を抑える仕組み
では、5-ASAはどうやって腸の炎症を抑えているのでしょうか。調べたことを簡潔にまとめてみると、
メサラジンには、炎症に関する物質(炎症性サイトカイン)の産生を抑える作用や、活性酸素によるダメージを抑える作用など、複数の抗炎症作用があると考えられています。活性酸素に対する作用やロイコトリエンB4の産生を抑える作用などが示されており、好中球など炎症に関わる細胞が集まってくるのを抑える作用があるとされています。ただし、作用機序は完全には解明されていません。
ということで、良く分からんということがよくわかりました。患者目線では「腸の粘膜まで5-ASAを届けて、そこで炎症を抑える内側からの塗り薬」みたいなもんだと考えるのがベターです。
そして、この「必要な場所まで5-ASAを届ける」という部分が、ペンタサ・アサコール・リアルダなどの違いにつながっています。
5-ASA製剤にはどんな種類があって何が違うのか
潰瘍性大腸炎の治療に使われる代表的な5-ASA製剤には、
| 商品名 | 主な有効成分 | 大まかな特徴 |
| ペンタサ | メサラジン | 時間をかけて徐々に5-ASAを放出 |
| アサコール | メサラジン | 腸内のpH差を利用して大腸付近で放出 |
| リアルダ | メサラジン | 大腸に届いたあと、広い範囲でゆっくり放出 |
| サラゾピリン | サラゾスルファピリジン | 大腸の腸内細菌によって分解され5-ASAが放出 |
などがあります。サラゾピリンは有効成分がメサラジンではありませんが、腸内細菌によって分解された結果、5-ASA=メサラジンを放出する仕組みになっているそうです。
で、じゃあ結局全部同じ薬じゃんと言いたくなりますが、違うのが「大腸までの届き方」です。
潰瘍性大腸炎による腸内炎症の出方によって、一番適した「届け方」を、役割分担しています。
ペンタサ
ペンタサは時間依存型の徐放製剤で、消化器官を通りながら、時間をかけて少しずつ放出されるように作られています。
そのため、小腸から大腸にかけて広い範囲で5-ASAが放出される仕組みになっています。
錠剤だけでなく、5-ASAの放出が比較的早い顆粒(つぶつぶ)や、坐薬や注腸剤も存在します。
私はリアルダが消化不良でゴーストピル化した際に、ペンタサ顆粒に処方変更になった経験があります。
アサコール
ペンタサと異なるのは、腸内のpHを利用して薬を放出する「pH依存型」という点です。
pHっていうのは酸性とかアルカリ性の度合いのことですね。
メサラジンの周囲を特殊なコーティングで覆い、消化器官のpHが高くなったところでコーティングが溶けることで、回腸末端から大腸めがけて5-ASAを届けるように設計されています。
ペンタサは飲んだ瞬間から開封、メサラジン放出!に対して、アサコールは大腸に近づくことで開封!という違いですね。
リアルダ
リアルダもpHを利用して大腸付近まで薬を運びますが、大腸の中でメサラジンをさらにゆっくりと放出する仕組みを持っています。
アサコールはpHが高くなった場所から比較的素直にメサラジンを放出するのに対して、リアルダはより大腸の広い範囲にメサラジンを放出できるように工夫がされています。
サラゾピリン
サラゾピリンは他の3つとは毛色が違います。
大きな違いは「大腸にもともと存在する腸内細菌が有効成分サラゾルファピリジンを分解することで5-ASAを放出する」という点で、
アサコール・リアルダ「pHが変わった。ってことは大腸まで来たか…放出しま~す」
サラゾピリン「ワイは何もしない。腸内細菌さん、あとはお願いします」
腸内細菌「任せろ。お、5-ASA出てきたわ」
という違いがあります。そのため、他の3つのような「メサラジン製剤」とは少し仕組みが違いますが、5-ASAを大腸で作用させる薬として同じ5-ASA製剤の仲間として扱われています。
5-ASA製剤に副作用はある?
人によっては副作用が出る場合があります。
潰瘍性大腸炎で広く使われている5-ASA製剤ですが、副作用がない薬というわけではありません。
5-ASA製剤では、体質などによっては腹痛・下痢・吐き気・発疹・頭痛などの症状が報告されています。
また、頻度は高くありませんが間質性腎炎などの腎障害、肝機能障害、血液障害などの重大な副作用の報告もあるため、投薬中は定期的な血液検査などで状態を確認していくことが大切なため、主治医の先生の言うことをしっかり聞きましょう。
5-ASA製剤が体質に合わない「5-ASA不耐症」もある
そして5-ASA製剤について知るうえで、もうひとつ重要なのが5-ASA不耐症です。
5-ASA製剤が体質に合わず、副作用などによって薬の継続が難しくなる人がいます。この状態は「5-ASA不耐」などと呼ばれており、簡単にいうと「5-ASA製剤で逆に下痢してしまう」みたいな状態です。
何を隠そう筆者も、5年飲み続けた5-ASA製剤が身体に合わなくなってきて「5-ASA不耐症かも」ということで処方が変更になりました。今は生物学的製剤と整腸剤のみで治療を続けています。
それまで普通に使っていて5-ASA製剤が使えなくなり、薬の治療内容も変わることもあります。
面倒ですが、根治の難しい病気と付き合っていくうえでは避けては通れない道だったのだと思っています。
まとめ|5-ASA製剤は潰瘍性大腸炎の治療を支える基本的な薬
5-ASA製剤について調べた内容をまとめると、
- 5-ASA=「5-アミノサリチル酸」の略で、メサラジンそのもの
- 潰瘍性大腸炎では、主に腸の炎症に直接はたらきかけて炎症を抑える
- 寛解導入だけでなく、寛解維持にも重要
- ペンタサ・アサコール・リアルダ・サラゾピリンなどの種類がある
- それぞれ異なる方法で5-ASAを放出して、作用する箇所を役割分担している
- 飲み薬だけでなく、注腸剤や坐薬もある
- 副作用や5-ASA不耐症によって継続できない場合もある
という薬でした。
潰瘍性大腸炎になるとこの5-ASA製剤が高確率で処方されますが、調べてみると同じ5-ASA製剤でも役割や狙いが違い、症状の出方によって使い分けられていることがわかりました。
私も長いこと処方された薬を「だいじなくすり」程度に考えてそのまま飲んでいましたが、5-ASAについて知ってみると、それぞれの薬がどのように違うのか、どんな効き方をしているのかがわかり、自己理解にもつながりました。
そして私の場合、この5-ASA製剤が使えない「5-ASA不耐」の状態で治療を受けています。
結論から言えば「生物学的製剤+整腸剤」で寛解を目指しているところですが、この辺の闘病体験日記は続編にて詳しくまとめてみたいと思います。
お楽しみあれ。
参考文献📚️
参考文献・参考資料
- 日本消化器病学会「炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン」
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/ibd.html- 日本消化器病学会「患者さんとご家族のための炎症性腸疾患(IBD)ガイド」
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/- 日本内科学会雑誌「III.潰瘍性大腸炎の内科治療」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/114/1/114_25/_article/-char/ja/- PMDA「ペンタサ錠250mg/500mg」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2399009F1149_3?user=1- PMDA「アサコール錠400mg」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2399009F3028_1?user=1- PMDA「リアルダ錠」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2399009F4024_1?user=1- PMDA「サラゾピリン錠500mg」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/6219001F1071_3?user=1- PMDA「ペンタサ坐剤1g」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2399715J1020_3?user=1- PMDA「ペンタサ注腸1g」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyak
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あきたりょう|1歳娘のポンコツ父ちゃん×潰瘍性大腸炎
1歳娘のポンコツ父ちゃん👶🔰|ENTJ-A|塾講師歴10年📚今は普通の会社員|💊潰瘍性大腸炎(全大腸炎型中等症)|海釣りキャンプDIY|📖blog闘病体験日記や趣味のこと、教育のことを備忘録として書いてます|無言フォロー、突然のコメントご容赦下さい🙇


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