i-Sizeとは?R129との関係を解説|日本での導入状況と選び方の注意点【2025年版】

・チャイルドシートの「i-Size」って結局何?「R129」との違いは何?
・「i-Size対応」って書いてるけど、正直それが安全なのかも分からんという人
・「R129」とか「i-Size」とか「ISOFIX」とか横文字にもう疲れた人
・疲れて休憩中の人
「i-Size」とは「車両との互換性」を示す欧州発の規格で、日本市場ではほぼ普及してません。
2025年11月現在の日本では、「R129(=UN R129/ECE R129)」正式導入済みで「i-Size」その一部カテゴリーです。安全性能については実質的な差はありません。
よって、日本でのチャイルドシート選びにおいて「i-Size」は優位性とはなり得ません。
「i-Sizeだから良い!」とならないように気を付けて。
「i-Size」「R129」「R44」…よくわからん。
最近娘が1歳になり、同時に、苦労して選んだチャイルドシートを使用し始めて1年が経過したことになりました。備忘録として残しておきたかったので、「新生児向けチャイルドシートの選び方&人気モデル」の記事を、妻・ばた子が書いてくれました。
1年半ほど前、妻が先導して初めてのチャイルドシート選びをやってくれましたが、その時に感じたのが横文字や用語が多すぎて理解不能ということでした。
今回改めて備忘録を書いてみてもやはり極めて難解。悪阻で体調の悪いプレママにこれはキツすぎ。1年半前のばた子…スマン!ということは一旦置いておいて…
この記事では安全基準「R129」「R44」って何?という部分を拾いつつ、「i-Size」表記をぶった斬ります。
結論、「i-Size」は日本ではほとんど普及しておらず、チャイルドシートを選ぶ時はR129適合を選んでおけばOKです。
※並行輸入ヨーロッパ車など、極々稀な車に装着する場合は除きます。
新安全基準「R129」とは?
そもそもチャイルドシートは赤ちゃん・子どもを交通事故から守ろう!という思想から生まれた道具です。
そのため、チャイルドシートは赤ちゃん・子どもをちゃんと守れる設計になっているか?という安全基準が定められています。
「R129」というのはチャイルドシートの新しい国際安全基準(通称:UN-ECE規制)のことです。
で、「R129適合」というのは、最新の国際安全基準に沿って作ったから安全だぜ!っていう意味です。
実際「より厳しい衝突テスト」「側面衝突も想定」など旧基準R44に比べて安全性がより高まっている。要するに、
- 今まで「○kgまでOK」だったけど、身長基準にした方が安全っていう研究結果出てるし、「○cmまでOK」に変えるべ。
- 今までは横からぶつけられた時のテストしてなかったわ。横からの衝撃テストして、もらい事故でも赤ちゃん守れるようにするべ。
- 他にもいろいろアップデート!
ということで、日本では2023年、R44からR129に安全基準がバージョンアップしたという話です。
ここまでは良いんですが、問題は各メーカーやショップで表記がゆれて統一感がないこと。
同じ商品ページで「R129」「UN規制129」「i-Size対応」とほぼ同じ意味の言葉が飛び交っていることもあります。わっかりづれぇ。
旧基準のR44も製造はストップしているものの市場には出回っており、新基準R129と併売状態が続いているのが現状です。
「旧基準R44」と「新基準R129」の違い|かんたんにまとめ
サクッと表で整理するとこんな感じ。
| 項目 | 旧基準R44 | 新基準R129 |
| 区分基準 | 体重 | 身長 |
| ダミー人形 | 普通のダミー人形を使用 | 衝撃を詳しく測るセンサーを搭載したダミー人形を使用 |
| 衝撃想定 | 前面+後面 | 前面+後面+側面 |
| 販売状態 | 2025年現在は在庫限り 中古では依然として購入可能 | 現行モデルはすべてR129 |
| 時期 | 2023年に製造停止 以降も使用は可能 | 2013年初導入 2023年に製造完全移行 |
「ISOFIX(アイソ フィックス)」とは?
念のため、ISOFIX(アイソ フィックスと読みます)についても少し触れておきましょう。
ISOFIXとは取付金具のことで、もう少し踏み込むと「チャイルドシートを車にカチッと固定するための金具の国際規格」です。

シートベルト固定式かISOFIX固定式かで選ぶことになる
ISOFIXが登場する前は、シートベルトでチャイルドシートを固定するものが主流でした。しかし、取付ミス(ゆるみ・ねじれ・通し方の間違い)が生じるリスクがあり、「もっと簡単に、かつ確実に付けられる規格」としてISOFIXが登場しました。
車の座席に金属バー(アンカー)が埋め込まれており、チャイルドシート側のコネクターをカチッと差し込むだけで簡単かつ確実に取付ができます。また、新しめのチャイルドシートはISOFIXが正しく装着されているかどうかを簡単に確認できるインジケーター(取付OKだと緑、NGだと赤になるやつ)が付いていることも多いので、より確実にチャイルドシートを取り付けられるようになっています。

| 項目 | ISOFIX | シートベルト固定 |
| 取付ミス | ほぼない。確実。 | 少なくない。難しい。 |
| 取付時間 | 数秒 | 数分 |
| 安定性 | 高い | 間違いなく取り付ければ高い |
| 対応車 | 2012年以降のほとんどの車 | すべて可能 |
「i-Size」とは?
R129のルール内に新設された国際規格で、「i-Size対応チャイルドシートは、i-Size対応車種に必ずハマる」という互換性を示すものです。
「R129よりも優れた安全性」と紹介しているサイトも多く見かけますが、正確ではありません。i-SizeはR129の中に設けられた“互換性カテゴリー”であり、「R129を超える安全基準」という意味ではないのです。
「i-Sizeとは」で検索してみると、
- 安全基準の強化:側面衝突試験も実施義務あり。
- 体重基準から身長基準への移行。
- 後ろ向き使用期間の延長を推奨:生後15か月までは後ろ向きを推奨。
- ISOFIX固定の標準化。
- 自動車への適合性:i-Size適合車両にはi-Size適合チャイルドシートが無条件で装着可能。
と、書いてあるサイトが多いですが、1~3はR129適合チャイルドシートすべてに言えることです。i-Sizeについての説明は4、5です。説明として誤りではないものの、これでは「i-SizeはR129よりもさらに優れた側面衝突試験を行っている」ように拡大解釈をしてしまう人もいるでしょう。

要するに①「i-Size適合チャイルドシート」×「i-Size対応車」=必ずハマる
要するにこうです。
- 車両の取り扱い説明書を読む。「i-Size対応」などの文言が書いてある。
または、車のシートに「i-Size」って書いてある。またはi-Sizeのマークがある。 - チャイルドシートの説明書に「i-Size適合」って書いてある。
または商品名に「i-Size」が含まれている。i-Sizeのマークがある。 - ↑であれば、公式サイトの適合車種一覧を見なくても「あっ、うちの車にこのチャイルドシートはハマるのね」と判断でき、ハマるように保証されている。
つまり「自分の車がi-Sizeかどうか」を知っておけば、いちいち公式サイトの適合車種一覧表から自分の車を探さなくても良い!絶対ハマる!ということ。
おぉ……適合車種一覧を見なくても良いのはちょっと楽だな…と思ったそこのあなた。残念でした。日本車には「i-Size対応車」と明記されたモデルが非常に少なく、実質的に普及していないのです。
調べてみましたが、日本で1番売れている軽自動車「ホンダ N-BOX」、日本で一番売れている普通車「トヨタ ヤリス」、日本で一番売れているミニバン「ノア&ヴォクシー」すべて説明書にi-Sizeの明記はありませんでした。ISOFIXアンカーは当然付いているので、実際は装着できるでしょう。ややこしい!!!
日本車と言いましたがディーラー輸入された外国車もi-Sizeの記述がごっそり消えてることが多いようです。なんでわざわざ消すんだよ!!おいっ!!!
要するに②日本市場では普及してないので※気にせず選んでOK
※2025年11月9日現在。
i-Size自体は法律に記載はあり日本においても正式導入はされているものの、R129規格自体がPhase1以降段階的導入調整中らしいです(欧州はPhase3までバージョンアップされておりISOFIX固定式以外もR129に認定されている…ややこしい…)。
※だから安全性が低いという話ではありませんので注意。ややこしい。
おまけに前項で説明した通り「日本に流通している車両にi-Size規格適合車が無い」という致命的な状況により、まったく役に立ちません。
要するに、製品名、製品説明に「i-Size」と書いていることがありますが、製品AはR129だけど製品Bはi-Sizeだからつよそう!!!というのは、こと日本においては誤りということです。かといってややこしいことに、i-Sizeと記載があれば当然R129適合なのでi-Sizeもちゃんと安全です。あぁややこしい。
おわりに:チャイルドシート選びにどう反映するか
2025年11月現在の日本では、「R129」「UN R129」「ECE R129」「i-Size」は微妙にニュアンスが違うものの安全性能については同等です。どの子もヨーロッパ基準の厳しいテストをくぐり抜けてきた、安全性には自信がある猛者たちです。
表記のゆれが混乱と誤解を招いているだけであり、結論、表記の揺れはあっても「赤ちゃんを守る力」はどれも同じ。大切なのは事実を元に自分の車に合う一台を選ぶことです。
まぁ、内容的に誤解が広がってしまうのも仕方がないかなとは思いました。日本で普及していないので、誤解があっても実害を被ることはなさそうですし、誤解を一生懸命に是正する必要もなかったのでしょう。というか、そもそも注目されていなかったのでしょう。
ただチャイルドシート選びの備忘録、曲がりなりにも「おすすめのチャイルドシートはコレ!」という記事を書く以上は、正確な情報を伝えたかったという思いはありました。その中で「製品Bはi-Sizeだから最新中の最新!安全性間違いなし!」と書かれてしまうと、反骨精神から「いやいや製品AもCもR129だから同じくらいの安全性能は持ってるよ?」と言いたくなるのが性でして。
はい、今回チャイルドシートについてはかなり勉強をさせてもらったので、調べてほしいことやリクエストがあればぜひSNSでもコメント欄でもお問い合わせフォームからでもご連絡ください。わが家はそろそろ保育園のお迎え用にもう1台、機種はうーん、JoieエレベートR129を買おうと思っています。みなさまも、お気をつけてチャイルドシート選びの旅にいってらっしゃいませ。
📚参考文献
United Nations Economic Commission for Europe. (n.d.). Child Restraint Systems (Leaflet). Retrieved [Access Date], from https://unece.org/DAM/trans/publications/WP29/CHILD_RESTRAINT_SYSTEMS_brochure.pdf
あきたりょう|1歳娘のポンコツ父ちゃん×潰瘍性大腸炎
1歳娘のポンコツ父ちゃん👶🔰|ENTJ-A|塾講師歴10年📚今は普通の会社員|💊潰瘍性大腸炎(全大腸炎型中等症)|海釣りキャンプDIY|📖blog闘病体験日記や趣味のこと、教育のことを備忘録として書いてます|無言フォロー、突然のコメントご容赦下さい🙇















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