UC闘病体験日記|食事が怖い時の強い味方”エレンタール”と潰瘍性大腸炎

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あきたりょう
あきたりょう

潰瘍性大腸炎(UC)は激しい下痢や下血による食欲不振・体重低下も主な症状のうちのひとつ。症状が強く出ている時は、何を口にするのも躊躇してしまいますよね。主治医に相談したところ、"エレンタール"という栄養剤を勧めてもらい、栄養状態がグングン改善していきました。

2020年に潰瘍性大腸炎(左側炎症型・中等症)と診断。ステロイドで約5年間寛解するも、再燃し休職、全大腸型にレベルアップ。コレチメントでCMV再活性、ジセレカは効果不十分、ステラーラでバイオ製剤デビューしてから15週経過、未だに寛解見えず。

エレンタール歴約6ヶ月。

ビギナーズノート
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潰瘍性大腸炎と食欲不振・体重低下の関係

潰瘍性大腸炎が再燃(発症)している時期、食欲がなくなるのは当たり前です。血便が続き、トイレに駆け込む回数が増え、腹痛も常に居座っている。そんな状態で「さぁ食べよう!」とは人間なかなかならないもので、むしろ食べたくなくなるのが自然な反応です。

ただ厄介なのが、食欲はなくてもお腹は減るということです。空腹になるとどうしても腸は動き出し、結果どちらにせよ腹痛が起こる。「食べても痛い、食べなくても痛い」という、どう転んでもしんどい状況になることは私もたんと経験してきました。

さらに追い打ちをかけるのが、「ここで◯◯を食べたら症状が悪化するかもしれない」という不安。医学的にどうかというよりも、この"漠然としているくせにやたら大きい不安"が本当に怖いんです。こうした状態が続けば、当然体重は減っていくし、栄養状態もどんどん悪化していきます。

栄養が足りなければ今度は免疫力が落ち込み、そこにステロイドや他の治療薬による免疫調整の副作用が重なれば、"ただの風邪"でも症状が悪化しがちで、体調は悪循環に陥りやすいです。

治療だけに専念できるならまだしも、家庭のこと、仕事のことを抱えながら治療を続けている人にとってこの状態は本当にきついです。

「休みたいけど休めない」「食べたいけど食べられない」

潰瘍性大腸炎の食欲不振は、単なる体の問題ではなく、生活全体を削ってくる大きな問題です。

「エレンタール」とは何者なのか??

エレンタールは、潰瘍性大腸炎・クローン病のIBD患者によく処方される医療用の成分栄養剤です。コンビニなどで買える栄養ドリンクや、プロテインのような「健康食品」とは似ても全く異なる、医師の管理のもとで使用される処方薬のひとつです。

エレンタールの最大の特徴は、消化管への負担が極端に少ないことです。中に含まれているたんぱく質は、すでにアミノ酸にまで分解済みで、胃や腸でほとんど消化を必要としません。そのため、炎症を起こしている腸をできるだけ動かさずに、必要な栄養を体中に届けることができます。

この性質から、エレンタールは潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病(CD)といったIBDだけでなく、消化管の手術前後や、がん治療中、重度の低栄養状態など、「普通の食事が体の負担になる人」に対して幅広く使用されています。

一方で、エレンタール自体は病気を直接治すための薬ではないため、腸の炎症を抑えたり、免疫を調整したりする作用はありません。あくまで、栄養状態を保ち、体力を落とさず、治療を続けるために体を"支える存在"という位置づけです。

潰瘍性大腸炎の再燃期のように「食べたいのに食べられない」「食べるのが怖い」という状態の時は、腸を休ませながら体調もしっかりと整えていくための現実的な選択肢になってきます。

“腹が減っては戦は出来ぬ"の言葉通り、栄養無しに治療は出来ぬ!ということですね。

エレンタールの基本情報(簡単に)

エレンタールは、1包80gでおよそ300kcal程度を摂取できる成分栄養剤です。市販のプロテインのように水に溶かして飲むタイプで、食事がほとんど取れないときでも、最低限のエネルギーを補給できるように設計されています。

栄養の特徴として大きいものは、たんぱく質がアミノ酸に分解された状態で含まれている点。これにより、

  • たんぱく質(肉や魚など)を摂取
  • 胃や腸でアミノ酸に分解される
  • 主に小腸で吸収される

という3段ステップのうち真ん中のステップを省略することができ、胃や腸への負担を軽減しつつ、効率よく栄養を吸収することができます。糖質、ビタミン、ミネラルもバランスよく含まれており、「体に必要なものを効率よく入れること」に特化されています。

エレンタールが効いた理由としんどかった理由

エレンタールは治療薬ではなく、消化管に負担をかけないように栄養を補給するための補助的なものです。万能というわけでもなく、服用していて良かったと感じる点と、しんどかったと感じる点がそれぞれありました。

ここが助かった|エレンタールの良いところ

エレンタールを使っていてまず一番に感じたのは体力が戻って来る実感でした。飲み始めた直後から劇的な変化があるわけではありませんが、1週間も続けていくと徐々に「動ける」感覚が湧いてきます。何も食べられずに体力が削られていく状態から、最低限だけでも栄養が吸収されることで、こんなに違うものかとはじめは驚いた記憶があります。

無理に食事をしなくてもいいという安心感も大きかったです。再燃中は、食べること自体が怖く、「今これを食べて大丈夫か」「また腹痛が来るんじゃないか」という不安が常に付きまといます。そんな時に食べられない日は無理をせずエレンタールでしのぐという選択肢があるのは本当にラクです。精神的な負担が減ることで、腸管へのプレッシャーも少なくなっているような気がします。

栄養状態が回復してくると、少しずつ食事への向き合い方も変わってきました。いきなり普通の食事に戻すのではなく、「今日はこれを少しだけ試してみよう」という形で、食事を段階的に再開できたのは大きいと感じました。潰瘍性大腸炎は、人によって合わない食べ物が違う病気だからこそ、少量ずつ試せる余裕が生まれたのは、エレンタールのおかげだと思っています。

エレンタールは食事の代わりになる魔法の飲み物ではありませんが、それでも食べられない時期を無理なくやり過ごし、次の一歩につなげてくれる存在だったと思います。

正直キツい|エレンタールのしんどいところ

マズイです。おいしくない。エレンタール+水だけの味は「すごい苦み+ちょっと渋み+しょっぱみ」を足した感じ(語彙力)で、とても飲めたものではないため、味を上書きするための専用フレーバーが用意されています。ただこれも、絶妙に甘ったるいというか、元の味と比べれば天と地ほどもマシなのですが、普通のドリンクのようにゴクゴクプハーとはいきません。一気飲みしようにも一回の服用で300mlの量を一気には飲めず、結局は慣れるしかないのが辛いところです。

個人的にはヨーグルト味青りんご味が違和感なく飲めました。コーヒー味はマズすぎて吹き出すかと思いました(※あくまで個人の感想です)。全体的に、ミルクっぽいというか、マミーっぽいというか、そういう甘い風味がします。中にはオレンジフレーバーをスポーツドリンクで割ってみたり、グレフルフレーバーにレモン果汁を足して臭みを消したりといったエレンタール上級者もいる模様。ジュースで割る際は飲み合わせる薬に注意しつつ、一工夫を加えることで続けやすくする発想はアリではないかと思います。

薬局から持って帰るのも地味に大変で、1ヶ月分は6箱(=約7kg)もあるので車なしで運ぶのは現実的ではありません。体力が落ちてきたから処方されたはずの薬を運ぶのが大変というのは、なんだかやるせない矛盾を感じますね。薬局によっては配達してくれたり郵送手配をしてくれるところもあるので、無理せず一度相談してみましょう。

エレンタール1ヶ月分(どっさり)

まさに"良薬口に苦し“で、私自身今は特に何の苦もなく「今日はどの味にしようかな~フンフン」ぐらいのテンションで続けられていますが、慣れるまで味に関してだけは苦労するので、これから飲むであろう人は慣れるまでの辛抱ということを意識しておくと続けやすいと思います。

エレンタールは「治療」ではなく「支え」

エレンタールは潰瘍性大腸炎を含むIBDを直接治すための薬ではありません。腸の炎症を抑えるわけでも、免疫を調整するわけでもありません。この点は、最初にしっかりと分けて考えておく必要があります。

それでもエレンタールがIBDに処方されるのは、治療を成立させるために欠かせない役割を担っているからです。食欲がなく、食事が怖く、まともに栄養が取れない状態では、どんな治療も土台が不安定になってしまいます。体力が削れ、免疫力が落ちてしまえば、薬の副作用にも耐えにくくなってしまう。その悪循環を、エレンタールは下から支えてくれる存在です。

IBDの治療薬が「炎症を抑える役割」だとすれば、エレンタールは「体を削らせない役割」。両方が揃って、初めて治療を前に進めることができます。

それだけでなく、エレンタールは普通食に戻るまでの橋渡しとしても重要な役割を担っていると思います。何も食べられない、食べたくない状態から、いきなり普通の食事に戻るのは現実的ではありません。

エレンタールで最低限の栄養分を摂取しながら、徐々に「自分に合う食事」を試していく。その“助走期間"があることで、無理のない形で次の段階へ進めると感じています。

潰瘍性大腸炎やクローン病、総じてIBDの治療は長期戦になることが多いです。だからこそ、治療薬だけでなくこうした「支え」をうまく使っていくことも、同じくらい大切なのではないでしょうか。

もし、IBDなどの治療中で、「食事がつらい」「食事が怖い」と感じるようであれば、主治医の先生にそれをそのまま伝えてみてください。今の状態に合った方法を一緒に考えてもらうことは決してわがままではありません。食べられない時期があるのはあなたのせいではなく、治療の途中にそういう段階があるだけです。

ひとりで抱え込まずに、まずは相談してみましょう。

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あきたりょう|1歳娘のポンコツ父ちゃん×潰瘍性大腸炎

1歳娘のポンコツ父ちゃん👶🔰|ENTJ-A|塾講師歴10年📚今は普通の会社員|💊潰瘍性大腸炎(全大腸炎型中等症)|海釣りキャンプDIY|📖blog闘病体験日記や趣味のこと、教育のことを備忘録として書いてます|無言フォロー、突然のコメントご容赦下さい🙇

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