投げ釣りを始めよう。基本の仕掛けと必需品を解説するよ!
・投げ釣りって何?海釣りビギナーです。
・投げ釣りをやってみたい。
・最低限必要な道具を知りたい。
・あったら便利な道具を知りたい。
海釣りビギナー向けシリーズです。
投げ釣りとは、生エサ(虫エサ)を付けた針を「天秤」と呼ばれるオモリに接続して、この仕掛けを沖に投げて魚を狙う釣法です。
投げた後は置き竿にして魚からのコンタクトを待ったり、竿をさびいて(竿をゆっくり引っ張って仕掛けを引きずること)魚にアタックしたり、狙う魚によって様々です。
メインターゲットはキス・カレイ・ハゼなどの小型魚。
生エサ(虫エサ)を使用するので魚の食いつきが良く(よく釣れるということ)様々な魚種を狙うことができるので、ファミリーフィッシングやレジャーフィッシングでは最も人気のある釣りのうちの一つです。
キャスト(仕掛けを竿で投げること)という動作が必要ですが、釣りをする上での基本動作を一通り網羅した釣りなので、リールの基本操作を覚えたら是非チャレンジしたい釣りです。
それでは楽しい投げ釣りの世界へレッツゴー。
投げ釣りってどうやるの
ぶっちゃけこんな素人が書いた記事よりもDAIWAさんの「はじめての釣り入門」ページの方がイラストもあって分かりやすいです。「投げ釣りってどうやるの?」という実践部分に関しては、こちらのページを参考にして下さい。基本的な仕掛けもこちらに書いてあります。
キャストの仕方はYouTubeを参考にしましょう!これがしっかりできるようになると、レジャーフィッシングにスポーツ要素が加わってとても楽しいですよ!ルアー釣りもやりたいと考えている人は、この釣りで「投げる」という動作をしっかりマスターしましょう!
Fishing Gang キャスティング【ルアーの投げ方】
ルアーの投げ方動画ですが投げ釣りも全く同じ要領で仕掛けを投げますのでご心配なく。
釣れる魚
(※ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑さんへリンク)
他外道で、アイナメ・カサゴ・メゴチ・ベラ・クサフグ・ウミケムシ(危険)・セイゴ(スズキの若魚)・チャリコ(マダイの幼魚)・カイズ(クロダイの幼魚)・ソゲ(ヒラメの若魚)など。
引っ掛かりでヒトデやナマコが釣れることもある(笑)。ゲストが多いのも投げ釣りの楽しいところ。
メインターゲットは美味しく頂けます。
投げ釣りに必要なもの
仕掛け解説
DAIWAさんの釣り入門ページにもありますが、ビギナーには専門用語が多く少々複雑かと思います。当ブログの記事でも紹介した「シーバスロッド」での仕掛けのセッティングと、筆者推奨&愛用の「ジェット天秤+キス針仕掛け」を紹介します。
初心者の方に一番最初に覚えておいて欲しいのは、ほとんどの仕掛けは「ガイド(竿についてる穴)にライン(糸)を通して、ラインの先端にスナップ(仕掛けを着脱するためのクリップのような道具)をつけることからスタートする」ということです。図にも示してある部分ですね。今回は投げ釣りなので、スナップにはジェット天秤とキス針仕掛けを接続することになります。これがサビキ釣りならスナップには「カゴ+サビキ針+ナスおもり」または「サビキ針+カゴおもり」を、ルアーフィッシングならルアーを接続する、といった要領です。
スナップはどんな釣りでも多用するので別途で買い求めておくと便利です(市販の仕掛けはほとんどがスナップ装着済みなので、なくても釣りはできます)。
あったら便利なもの
あると便利なアイテムを紹介します。
パワーイソメ
投げ釣りではアオイソメやイシゴカイ(スナゴカイ)などの生エサ(虫エサ)を使います。この生エサ……めちゃくちゃ釣れるのですが如何せん気持ちが悪いです。禍々しさ出てます。気持ち悪いだけならまだしも、気を付けないとアオイソメは牙で噛んできます。慣れれば可愛いものなのですが、人によっては越えられない壁として立ちはだかるこの生エサたち。そんな人のためにこれらの生エサを模した疑似エサが存在します。それがマルキューのパワーイソメという商品です。
釣果はというと普通に釣れます。体感ではやはり生エサの方がよく釣れるような気はしますが、ちゃんと計測したことはないので一概にどちらとは言えないかもしれません。生エサはその日のうちに使い切りになることが多いのに対して、パワーイソメは保存も効くのでその点でもかなり優秀と言えるでしょう。生エサがどうしてもダメな人は、こちらを使いましょう。
フィッシュグリップ ※タオルでも可
釣れた魚を掴む用のグリップ。釣れた魚を素手で触るのは危険ですし、魚にも相当なダメージを与えてしまいます(魚の体温は10~18℃、それに対し人間の体温は36℃なので魚が低温やけどしてしまう)。また、針を外す際に魚が暴れるのを防ぐこともできますので安全面を考慮しても必要でしょう。その観点で言えば普通のタオルでも全然代用可能ですよ!
筆者は安物から高価なものまで一通り試しましたが「第一精工 ワニグリップシリーズ」が小型魚を掴むには最適と感じています。安いものでも十分なのですが、筆者のような軟弱な握力しか持ち合わせていない人は結局結構な力を入れないと魚を掴めないので、小さい力でもガッチリホールドできるこちらの製品を愛用しています。収納面でも便利なので失くしにくいです(笑)。
針外し用のプライヤー ※ラジオペンチで代用可能
キスはエサを吸い込むようにして捕食するため、口よりも奥の喉に針掛かりすることも多いです。このような状況を「針を飲まれる」と言います。キスの口は小さく成人男性の指はとてもじゃないですが入りませんので、小さなプライヤーはあっても良いと思います(なくてもコツが分かれば針は外せます)。
針外しは慣れるまでは超大変です。後輩たちを釣りに連れて行って、自分で針を外せた人は一人もいませんでした。「男の人呼んでぇー!」って叫ばなくても良いように…という人は、針外し用のプライヤー(釣り用のペンチのようなもの)を用意しておきましょう(錆びても良ければラジオペンチで代用可能)。
針外しのコツは「魚をガッチリ固定して、針の根元を掴んでひねるように思いっきり抜く」こと。痛そう…と思って力が入らないと、カエシのある釣り針は全く外れません。小型魚が針を飲み込んでしまうと、指を口の中に突っ込まないといけないので大変で、そうこうしているうちに来ていた群れがどっかに行ってしまいます。慣れればどうってことはないのですが、あると便利なアイテムでしょう。
どちらにせよルアーフィッシングでは必須になりますので、先を見据えてという人はコストパフォーマンスの高いUMIBOZUのプライヤーをおすすめします。
フリーザーバッグ
魚を持って帰る用です。クーラーボックスにそのままドーーン!!でもOKですが、クーラーボックスがいいにおいになってしまいますので、大きめのフリーザーバッグは何枚か持って行くことをおすすめします。
小型魚は痛むのが早いので、美味しく食べたいならエラをナイフやはさみで切って出血させ、塩を入れた氷入りバケツにぶち込む氷締めという方法で簡単に鮮度を保てますので、釣れたら氷締め、持って帰るときにバケツからフリーザーバッグに移す、それをクーラーにポイっとすれば後片付けも楽チンです。
大漁の秘訣
ポイント(場所)選び
投げ釣りは基本的に沖のポイントを狙います。足元狙いと違って地形が目に見えないので、竿をさびく(竿をゆっくりと引っ張って仕掛けを引きずること)ことで釣れそうなポイントを探し当てていきましょう。
- カケアガリ(釣り人から見て下り坂の地形のこと)や段丘付近。
- 海藻が生えているところ。
- 沈み根があるところ。
- テトラポットなど、目に見えるストラクチャ(障害物)の周りもねらい目。
潮汐を意識しよう
ネットやアプリで「潮汐表(潮の満ち干き)」を調べて、自分が釣行する時間帯の潮の満ち干きを調べておきましょう。
魚は流れに支配される生物なので、潮汐が釣果に与える影響はあまりに大きすぎます。
釣割タイドグラフが初心者にも分かりやすいかと思います。釣れやすい時間帯に★印をたくさん付けてくれています。
潮汐によって潮の流れの向きは変わります。毎日同じポイントで釣りをしていても、潮の満ち干き具合が違えばそこに生じる流れも変わってきますので、当然釣果にも変化があります。例えば、小規模漁港の場合。
【上げ潮】…漁港内に水が流れてくる。その流れに合わせて漁港内に魚が入ってくる=比較的継続して釣れやすい
【下げ潮】…漁港から大海原に水が出ていく。それに合わせて漁港内にいた魚が旅に出る=下げ始めは釣れやすいが、継続しにくい
さらに、潮の流れの強さも無視できません。基本的に回遊魚の回遊待ちの釣りは、流れが強い方が魚に出逢える確率が高いです。したがって、潮汐表を見て「傾きが大きい時間帯」を狙って行くと少しでも確率は上がるでしょう。
潮が止まっちゃうとやっぱり厳しいことが多いです。潮が止まった瞬間釣れなくなることは本当によくある現象です。
この辺は慣れてこないとピンとこないと思いますが、意識しながら釣りをして、日頃から釣果と照らし合わせるようにすると、だんだんと「この場所は上げ潮が釣れる」という風に分かってきますので、少しだけ気をつけて挑んでみて下さいね。
~潮汐表の見方~
見方は簡単で、「傾きが大きい=潮がよく動いている」「傾きが無い(小さい)=潮が止まっている」という2点。そして、魚は潮汐(流れ)に支配される生物なので、基本的には「潮がよく動いている時間帯の方がよく釣れる」ことが多いです。
よく聞く「大潮が絡む中潮が良い」や「上げ3分下げ7分が良い」というのは間違っていませんし多くのパターンでハマりますが、絶対かというとそれは「場所によって違う」が正しいです。"要"は「場所によって潮がちょうどよく効く時間帯が良い」というのが正解。外洋に面した堤防であれば潮汐による潮の効き具合がより大切になってきますし、河川が絡むポイントでは逆に潮があまり効かない小潮が良いというポイントも存在します。実際筆者も日常的にシーバス釣りをしていて「大潮全然釣れねぇ、長潮だと絶対釣れる」ってポイントが複数存在することを確認しています。それら全てを初めのうちから知ることは難しいですが、潮汐表を見て「どの程度潮が動いているのか」を図を参考に少しだけ意識してみて下さい。
朝マズメと夕マズメはやはり外せない!
朝マズメ・夕マズメというのは、ちょうど日が昇る・日が沈むタイミングです。光のバランスによってプランクトンの活動が活発になり、それを捕食する生物の捕食スイッチが入る、さらにそれを捕食するフィッシュイーターが…という、魚の捕食スイッチが入るタイミングです。魚はどうもこの時間にお腹がすくようですので、魚がいればどうしても釣れちゃう、それが朝マズメ・夕マズメです。大漁狙いなら外せない時間帯ですが、有望スポットには「いつからいたの?」って言いたくなるほど釣り人がごった返していることもあり、それはそれで大変です。ソーシャルディスタンスを保って釣りしましょう(仕掛けが絡まるので)。
安全に、マナーを守って!
泳げるからOK!ではなく、ライフジャケットは必ず着用しましょう。海をナメたらあきまへん。大潮の河口付近なんか、見た目以上に流れが強すぎて泳げたもんじゃありません。落水事故があると最悪その釣り場は釣り禁止になってしまいます。そういう意味での迷惑をかけないためにも、自分の命は自分で守ることを徹底して下さい。
また、マナーを守って釣りをしましょう。絶対にゴミは持ち帰る。恥ずかしい話ですが、わが故郷秋田県ではハタハタ釣り客のマナーが悪すぎて漁港での釣りが禁止になった場所が多々多々あります。ハタハタ釣りだけでなく、それ以外の釣りでも釣り場を汚すという行為は許しがたいマナー違反です。遊んで出たゴミは必ず持ち帰る。コマセをこぼしてしまったら、帰る前に海水で流す(そのための水汲みバケツでもある)。当たり前のルール、マナーを守って釣りを楽しみましょう。あくまで釣り人は私有地・社有地である船港、漁港を「使わせて頂いている立場」であることを絶対に忘れないで!
自治体によっては「○○cm以下の△△はリリース」と決められているところもありますので気を付けて下さい。それ以前に、あまりに小さすぎる魚は食べるところも少なく食べ応えもありませんので、海産資源を守る意味でも傷つけないよう優しくリリース(海に帰すこと)してあげて下さい。時々、フグなどの外道を堤防に放置していくまさに外道のような釣り人がいますが言語道断です。お前を堤防に縛り付けて放置してやろうか。また、針の掛かり所が悪かったり、針を外すのに手間取ってしまい蘇生不可能になってしまったりした場合は釣り人の責任です。その場合は小さくても持ち帰り、食べることで供養してあげて下さい。
それでは楽しい釣行を。大漁を祈っていますよ!