UC闘病体験日記|傷病手当金と潰瘍性大腸炎

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あきたりょう
あきたりょう
2020年に潰瘍性大腸炎(UC)中等症を発症、丸3ヶ月の入院と、約9ヶ月就業できない状態が続きました。収入は途絶え、治療費でかなりの費用がペイアウト……生活をなんとか支えてくれたのが、傷病手当金でした。

生命保険になど入っていなかった

あの頃は私もまだ若く(?)多少体調が悪くてもリポビタンDで乗り切っていたのはよく記憶に残っていて、今でも仲良くしている同級生からは当時「早死にする」だの「働きすぎ」だの「頭おかしい」だのよく言われていました。

今思えば本当に何も考えていなかったな〜と思うのですが、昔から身体は丈夫でしたので、まさか自分が大きな病気をしたり入院したりなんてことは予想してなかったのです。そんなわけで、生命保険や入院保険へは加入しておらず、まさに「いざという時」の金銭的援助がなかったのです。

治療費×家賃×車のローンのトリプルパンチ

治療費は保険適用でも結構な金額でした。入院中は毎月10〜15万ほどかかったと記憶しています。薬代がとにかく高かった(今も高いが)。

また、ほぼ家は空けているのに家賃は当然かかる。5万円強くらいだったかな。タイミング悪く、入院する半年前にローンで車を買ったので、こちらも乗ってもいない車に月5万円弱かかる。今思えばこの買い物も少し背伸びすぎたかな。

して、精神的にもトドメを刺されたのが市民税や社会保険料でした。これまでは給与天引きで支払っていたものでしたが、給与がない期間も当然支払わなければならない為、こちらは現金で会社にお支払い。約6万円も毎月溶けてゆくことになりました。

※これから入院して傷病手当金を受け取る方は留意しておいた方が良いかも。会社にも支払い方法を確認してもらって。

こうしてドンドンお金がなくなっていき、困窮していきました。

傷病手当金を申請

就業できない間は傷病手当金を申請して受け取っていました。就業できないレベルの状態なのであれば、まず間違いなく申請が通ると思われます。

病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
病気やケガで会社を休んだときは傷病手当金が受けられます。
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
(全国健康保険協会 協会けんぽHPより引用)
支給条件はこんな感じ。就業できないような状態で、4日以上休業したなら確実に支給条件を満たすでしょう。
支給される条件
 ①業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
 ②仕事に就くことができないこと
 ③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
 ④休業した期間について給与の支払いがないこと
(全国健康保険協会 協会けんぽHPより引用)

揃える書類は、自分自身が記入主治医または医療機関が記入会社が記入するものがそれぞれありますので申請する前に関係各所に確認しておくと良いと思います。

余談ですが、協会けんぽのホームページは本当に分かりやすい。申請するのにそれほど苦労しませんでした。それに比べて秋田市のホームページはなぜあんなにも分かりづらいのか……

絶妙なボリューム感

細かい計算方法はちょっと違いますが、受け取れる金額はシンプルに額面の3分の2くらいと考えて良さそうです。額面という表現ですが、残業手当や通勤手当などの諸手当を含めて、社会保険料などを給与天引きするの金額を目安と考えてください。

この金額設定がまた絶妙でして、当時の私の家計だと、家賃、車のローン、社会保険料と税金と支払って、ちょうど食費と光熱費が残るようなボリューム感でした。それでも、「お金が減らなくなった」というだけで物凄く安心したのを覚えています。

お金がないと心も貧乏になるとは言いますが、協会けんぽから傷病手当金が振り込まれたのを記帳で確認した時の安心感と来たら、なかなか忘れられるものでもありません。お金を手に入れるって、本当に大変なことだなーと実感しました。

振り込まれるまでの期間

Q.傷病手当金支給申請書を先週郵送しましたが
審査はどのくらいかかりますか?

A.協会けんぽに申請書が到着(受付)されてから
2週間前後で決定となり、振込されます。

全国健康保険協会 協会けんぽ 宮城支部HPより引用)

私の場合振り込みされるまで、書類を揃えて会社に提出してから10日くらいはかかりました。初回は3ヶ月分まとめて申請したんだったかな。

医療機関が用意してくれる書類は、当然ですが先日付での記入をしてもらえませんので(例:4月20日までは確実に入院予定だからといって、4月1日の時点で20日までの傷病手当金は申請できない)体調的に辛いでしょうが早め早めに動かないと家賃など月々の支払いが後手になり負担が大きいなと感じました。

書類を揃えるのに時間がかかるのですが、やはり一番時間がかかるのは医療機関記入分でしょうか。入院治療でしたので総合病院、私の場合は自宅が近かったこともあり秋田更生医療センターに入院しており、書類作成には2〜3週間かかると言われました。実際は10日くらいで受け取ることができましたが、病院の規模、患者数によっては相応の時間がかかると予め分かっておかないと、これもゴテゴテになるなと思います。

自分で記入するものは自分の情報と振込先口座、会社に記入してもらう分は休業日数と給与の支払いがあったかどうか、そして会社の署名だけなので、それぞれ1日あれば記入はできるでしょう。揃ったら会社に提出して会社経由で社保加入先に郵送してもらいます。不安であれば自身で郵送してもOKのようです。

初回の申請は審査などあるでしょうから10日ほど時間がかかりましたが、2回目以降は提出してから6〜7日くらいで振り込まれることが多かったと思います。

いずれにしろ締め日の関係で最低でも1ヶ月は収入がない期間が生まれてしまうので、体調的に辛いところではありますが、早めに動くに越したことはないと思います。

まとめ:潰瘍性大腸炎や長期療養には、制度の活用が不可欠

潰瘍性大腸炎などの長期療養が必要な病気では、金銭面の不安が精神的ストレスをさらに増やします。傷病手当金は、正しく手続きすれば確実に支給される制度です。

今、同じように病気やケガで仕事を休まなければならない方には、早めの準備と制度の理解をおすすめしたいと思います。保険未加入だった私でも、傷病手当金のおかげで何とか生活を立て直すことができました。

まさに備えあれば憂いなし。これが私の実感です。

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