UC闘病体験日記|潰瘍性大腸炎で2回目の傷病手当受給はできるか


・4年越し、同じ病名での傷病手当申請OKでした。最長1年6か月受給できます。
・受給金額は変わらず手取りの2/3前後
・書類到着から約1週間で振り込まれました。早くて助かった…

ブログの骨組み(デザインやレイアウト)を手直ししたくてしばらく更新をサボってしまいました。UC闘病体験日記の第…何段だっけ。良かったら過去の記事もご覧ください。
傷病手当とはどんな制度か?
傷病手当とは、潰瘍性大腸炎などの難病にかかわらず、やむを得ない傷病のため就業できない場合に減った収入を補填する仕組みまたは給付されるお金です。
給付は加入している健康保険協会から行われます。そのため申請先が人によって異なる点に注意が必要です(保険証を見て確認しましょう)。ほとんどの場合は勤め先を通して申請することになると思います。
最近Xで情報収集も兼ねて同じ境遇の方々との交流を試みているのですが、意外と学生の方やお子さんがUCの方も多くいらっしゃることが分かりました。まだ収入を得る段階にない方(とその保護者様)も、「万が一UCなどで就業困難になった場合も収入を補填する仕組みがある」ことを知っておくだけでも安心感が違うと思いますので、ぜひこの記事は参考にして頂ければ幸いです。
傷病手当で支給される金額の目安
傷病手当の金額は直近の給与、残業手当や奨励金などの各種手当てを含む額面の給与の約2/3程度です。
実際にはそこから今まで給与天引きされていたであろう健康保険料や住民税が引かれますので、手元に残る金額をイメージしておくと良いと思います。
例えば給与が24万円で天引きが6万円の人は24万×2/3−6万で手元に残る金額は10万円という計算になります。心許ないように見えてあるのとないのとでは天と地ほどの差。実際私は傷病期間中、口座残高は増えはしないもののなんとか食い繋ぐことができました。
傷病手当を受給できる期間と再発・再燃の最新ルール
傷病手当は最長1年6か月間受給することができます。潰瘍性大腸炎は人によっては寛解まで長くなるケースも少なくありませんから、期間を取ってもある程度安心して治療に専念することができます。
令和4年以前は一度寛解して再発しても発症から1年6か月の期間しか支給の対象とならない復職ギャンブルのような原則でしたが、今は再発しても再度受給ができ、通算で1年6か月分は支給がされるよう改善されました。
初回の受給日から1年6か月が経過した場合は、原則同じ病名での受給はできないとされていますが、医師によって一度目の傷病に社会的治癒が認められる場合は、二度目を新たな傷病として申請、受給することができる場合がある、とのことです(今回私がこのケースで、実際に受給することができて安心しました)。
細かい支給条件があるので、これから申請する可能性のある方は加入先の健康保険ホームページでの最新情報を必ず確認してもらえるようお願いします。と同時に、体調が悪い方はこういう制度がきちんと存在しますので無理せず休んでください。私が言えたことではありませんが、職場にできる穴は必ず何とかなりますので…ご自身の身体を第一に考えましょう。
潰瘍性大腸炎で2回目の傷病手当を申請した実体験談
2025年10月、現在進行形で2回目の傷病手当を受給させて頂いてます。管轄の健康保険協会に電話で確認したところ、同じ病名ですが新たな傷病として最長1年6か月の受給が可能とのことでした。こんなに長く炎症しているのは初めてのことで不安でしたが、なんとか治療に専念することができそうで安心しました。
備忘録も兼ねて時系列を紹介させて頂きます。
1回目の受給と社会的治癒の期間
潰瘍性大腸炎の初診断日は令和2年3月末頃でした。その前から症状はあったものの貧血で立っていられなくなり、そのまま入院することになりました。当然就労不能でしたので有休も使わず休職という扱いになり無給状態に。
傷病手当という制度があることを知り、申請し受給が認められました(1回目の受給スタート)。
その後6月に退院、そこからは医師の判断の下自宅療養しながら9月まで傷病手当を受給していました。(通算6か月)。寛解してから始めの方は時短勤務、12月からフルタイムで勤務し、給与も発生してましたので当然受給要件を満たしていません。
そこから約4年間の寛解期を過ごすことができ、正確にはちょこちょこ再燃していましたが、ステロイド服薬によって問題なく社会生活を送れていました。このように症状が落ち着いて社会生活を問題なく営める状態を「社会的治癒」とみなすそうです。
2回目の申請から入金までの流れ
時系列が現在に追いつきました。激しい下痢で体力と時間を消耗、多量の血便で貧血状態に。医師から就労不能の判断、入院加療を開始しました。
「傷病手当は2回目でも受給できる場合がある」ことを知らずよくよく調べてみたら…という状況だったので、慌てて書類を用意して申請しました。申請書類が健康保険協会に届いてから約10日で傷病手当が振り込まれていました。無事審査が通過したことを思い、ほっとしました。
「社会的治癒」が認められた理由
私の場合は4年間の寛解を経た後の再燃でしたので、この4年間の寛解が「社会的治癒」として認められたと思われます。そのため同じ病気の再発が「新たな傷病」として認定されたのでしょう。
社会的治癒というのは、医学的に完全治癒していなくても、本人が通常の社会生活を送れる状態が一定期間続いている場合に、傷病が治癒したと見なす考え方です。法律で具体的に定められているものではなく、期間についても「5年以上」とする記述が多いものの、私のように5年未満でも認められるケースもありますし、逆に5年以上の寛解があっても認められないケースもあるようです。おそらくは医師の判断にある程度は準拠しているものなのではないかと考えています。
今回は2回目の傷病手当申請が通ったからといって再燃などしたくありませんが、傷病手当がもしなかったらと思うと……恐怖です。
潰瘍性大腸炎の場合、「悪化すると社会生活に支障をきたす」「寛解と再燃をくりかえす」「完治しない」の三拍子ですので、申請が通らないとなると現実問題困っちゃいますけどね。
まとめ|潰瘍性大腸炎の再燃時も、条件を満たせば2回目以降の傷病手当は受け取れる
- 潰瘍性大腸炎(UC)は「寛解と再燃をくりかえす」慢性疾患だが、一定の条件を満たせば同じ病名でも2回目の傷病手当を受給できる。
- 今回の体験では、4年間の寛解期間が「社会的治癒」と認められ、新たな傷病として2回目の受給が可能になった。
- 傷病手当の支給期間は最長1年6か月で、支給額はおおむね手取り収入の2/3程度。
- 申請から入金までは約10日前後とスムーズ。書類の不備や確認漏れを防ぐため、会社・主治医と密に連携するのが大切。
- 再発・再燃時の制度改正により、通算で1年6か月分の支給が可能になった点も重要。
- 社会的治癒の判断はケースバイケースであり、医師の見解や寛解期間の長さなどが大きく影響する。
- 潰瘍性大腸炎やIBDで就労困難になった場合、傷病手当は経済的にも精神的にも支えになる心強い制度。
- 不正受給防止のため審査は厳格だが、正しく申請すればきちんと支給される。まずは加入先の健康保険協会で最新情報を確認しよう。
この記事が、同じように潰瘍性大腸炎で悩む方の支えや参考になれば幸いです。
不正受給は当然防止されていますので書類は会社記入分、主治医記入分を健康保険協会(共済)が審査する形となります。あくまで治療に専念するため、前向きに社会復帰をするための制度、とはいえ「寛解と再燃をくりかえす」潰瘍性大腸炎という病気、ひいてはIBDにおいてこれほど心強い制度はありません。収入がないと食べていけないどころか治療も受けられません。保険料も税金も払えません。
潰瘍性大腸炎だけでなく、つらい傷病を背負うことになったら、この制度に頼ることで経済的にも精神的にも助けられるはず。傷病手当の2回目を受給できた私の体験が、誰かの助けや支えになれば幸いです。
情報収集と交流のため、X(旧Twitter)で潰瘍性大腸炎×子育てポンコツ父ちゃんアカウントを作成しました。良かったらフォローやいいねで応援お願いします!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません